和歌

(結婚した同級生への年賀)
年の返ることやうやう歩みをはやめたりとはおぼさむや。されど今年はべちとおほせ給はむとて
ごとならば返らざらなむしかはあれど君がもとには同じからめや


(藤原くんに年賀状)
藤原に宿かるものとしらざりついかになくらむ好けるうぐひす


恋ひしのぶ秋の夜長の長くもとはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ


あらたまの年のふるこそかなしけれあきな来そとはながめ暮さむ


いはばしる滝のおとづるる文は待たじ絶えずと聞かば寝やすからまし


うつしみのよにし生まれし我なれば夢まぼろしに生き死なまほし


こころなくば体もなからむうつろなる我にしあればなにか出で来む


めてておひせしかば
ことの音の絶えてなくらむほととぎすその涙川に溺るとも悔いじ


つらきことのみ多かる六月なれば
水無月と誰れか言ひけむ今年より神無月とは言ひ慣はさん


友の鼻ひられぬ病ひにかかりたれば
はなひればことのはちるにわが命絶ゆと白波返らざりけり


ぬばたまのよる波こえてこぎいでつはては黄泉なるともいさ知らじ


CDをききつつ寝むとす
漆黒のさ夜更けて今は音は色さのみなるやは我触れらるぞ


旧交の復するを喜びて詠める
初春と言えども春の立たざれば梅咲かざるにはなたちばなは
橘はかれずあるらし我が袖の香やせむとこそ聞かまほしけれ


楽は聞く他になにするものなれや弾かむも聞かむも同じからむ


たらちねのははのはとこのははそはのそのははのちちたれにやありけむ


おどろきてゆめうつつともわかぬまに浅茅が宿に秋雨の降る


あきや来ぬ今日や昨日の春ならぬむべ我が袖に露は置きけり


立ちて待ち寝待つは月とこそ聞けれ月は見ずとも君に会ひたし


折句(各句の頭を繋げると言葉が出来ます)
聞くよりは見るにしかずと恋の道ひとたび入らば死ぬる時まで


まろびつつ我はきにけりまろびつつあしたもまろびつつわれは


頭われろ身はゆるゆるとゆくりなく心はいたしここにいたくなし


田舎にていかに見ゆらむ東京の汚せる空に月のやさしき