だって書いちゃったんだもん

『犬』
1年E組 小林汗


僕は犬が大好きだ。それは猫より好きだとか、ペットの中で好きだとかいうだけではなく、すべての生き物の中で一番すきだということだ。もちろん人間よりも。


うちは父の仕事の関係で引越しが多く2年と同じ土地に住んだことがない。だから友達と本当に親しくなる機会に恵まれなかったのかもしれないし、本当はみんな本当の友達と呼べる人間なんていないものなのかもしれない。


でも僕に全く友達がいなかったわけではない。僕の友達はジョンだった。ジョンは雑種の雄犬で僕らは生れた時から一緒に育ってきた。ものごころついた時から僕に気持ちを理解してくれるのはジョンだけだったように思う。学校でいじめられて帰ってきた時、父の不倫で両親がうまくいっていない時、僕を支えてくれたのはジョンだった。ジョンが僕を裏切るなんてとても考えられないし僕がジョンを嫌いになるなんてありえるはずがなかった。


日本では年間、数十万匹の犬猫が保健所で殺されているとTVで見た。野良犬や野良猫が増えると都合が悪いらしい。どういう都合だかアホらしくってもう忘れてしまった。とにかく野良犬が増える原因は人間にあり、増えて都合が悪いのも人間であるらしい。馬鹿らしくなってチャンネルを変えた。


都合が悪いから殺すというなら、まっさきに殺されるべきは人間に違いない。人間ほど他の動物或は人間自身を害する動物はいない。私は人間をもっとも下等な動物として位置付ける。犬を殺すか人を殺すか二者択一をせまられたらためらわず人間を殺す。


ジョンは今年6月、猫いらずを食べて死んだ。




これは以前塾で講師をしていた時、作文の指導をしていて「俺はえらそうなこと言ってるけど実際自分で書けるのかしら?実際子供のころは作文苦手だったし。」と思ってその時課題にあった『犬』というテーマで書いてみたのです。ちなみに内容は事実ではありません。なんか危ない人みたいだなあ。