米内光政

米内光政
米内光政
山本五十六、井上成美とともに日米開戦に反対した海軍トリオの一人で終戦工作などに当たって大きな役割を果たした。一読したところ必ずしも米内をひたすら神格化しようとしてるわけでもなく(芸者にもてた話とか多すぎだけど)、陸軍を中心とした徹底抗戦派を頭から悪者扱いしてるわけでもなく、ある種爽やかに読めた。
それでもAmazonのレビューの中に次のようなことが書かれていたのは意外だった。

基本的に海軍と天皇が善、陸軍が悪のイメージで話は進みます。特に、山本・井上・米内は殆ど善、だんだんいらいらしてきます。これは著者のエピソードを繋いでストーリを進めるという手法が私には合わなかったせいもあります。感情移入しにくかったです。
読み終わって、元々戦争において陸軍に悪いイメージを持っていたのですが。この本を読んで、大東亜戦争に負けたのは海軍が大きな要因で、戦争の実態を誤魔化していたのは海軍が大きな原因をしめていたのではないかと思いました。

この人はもともとなんで陸軍に悪いイメージをもっていたのだろうか。もっとひどく書かれているものの方が多いと思うんだけど(実際陸軍はそう言われても仕方ない面も多々あると思う)。
それにしても戦後の価値観から見れば日米開戦反対の人というのは善として扱われがちだから山本五十六のように神格化されるのはよくないかもしれない。米内の場合、地味だから一般へのアピールは山本とは比べ物にならないのかもしれないけども。
このような本もあった。
ソドムの市
ソドムの市
機会があれば読んでみようかしら。
いずれにせよ、日米戦争は国内の戦いであったという思いを持った。