私はアメーバになりたい

結局人は自分の言葉で世界を理解するしかない。人間以外の動物に人間と同じ意味での意識があるのかは知らないがある程度そう仮定して動物と接しているのだろうし、またその考え方は当たり前のようでいてなかなか面白いとも思う。
たまに「人間以外の動物に生まれ変わるなら何になりたい?」という他愛もない話をすることがあるが私は「アメーバになりたい。」と答える。
アメーバは単細胞生物であり細胞分裂により個体を増やすわけだがその時、元のアメーバの『意識』はどうなるのだろうか。自分が二つになり四つになりその時元の個体の『意識』は何か残るのだろうか。
もちろんこれは脳も神経も持たないアメーバに人間に『意識』をそのまま当て嵌めた上での空想だ。
アメーバはそして時にその細胞が寄り集まって多細胞になることがあるという。こうなると我々の身近な生物に近付く。単細胞の個体であることよりそれらの集合的な意識というのを考えてみるのも面白い。
魚の群れが何の前触れもなく同時に進行方向を変えることがあるがそれもその集団全体を人間でいう個体と見てその意識という観点から観ることもできるのではないだろうか。