独り言

ひとり言の研究というのは大変に難しい。ドラマなどを見ていて耳にするひとり言としては『やれやれ』『よっこらしょ』『ふぅ、暑い暑い』『畜生』などなど、まあものすごく適当に挙げたのだがこんなのはありそうなところだ。しかし残念ながら私自身、この種のひとり言を口にしたことはない。言ってみればこれらは人に聞かれることを前提とした言葉で真のひとり言とは言えない。というか実際このようなひとり言は実在しないのではないかと疑っている。


真のひとり言を扱うには盗聴機をしかけるのが正当な方法だが今回は手っ取り早く内省法を用いてみる。つまり私自身が一人の時に言ったひとり言だ。


例えば好きな人の名前をひとりごちても全く理解の範囲なので問題ないのだがどうにも自分自身理解に苦しむひとり言も多い。例えば『キャプテン!』。私は学生時代部活などでキャプテンと呼ぶような人はいなかった。キャプテンと聞いて思い浮かぶのはあの名作漫画ぐらいだがどうもしっくり来ない。というか実際にキャプテンなる人に語りかけている熱さがある。どうもあの『キャプテン!』には、岡ひろみが『コーチ!』と呼ぶような熱い響きがある。とすると妥当な結論としては私は無意識下でスポ根物語を展開しているのだろうか。気持ち悪い。


しかしどうにもこの分野は対象の扱いにくさから一人での研究には限界があるようだ。そこでここで『ひとり言研究会』の発足を提議し広く参加者を募りたい。みなさん、是非『これは!』と思われる秘蔵のひとり言、『こんなひとり言を聞いちゃったよ!』といった経験を共有しませんか?